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広島高等裁判所 昭和29年(ラ)5号 決定 1954年2月16日

抗告人(被申立人) 合資会社勝光山鉱業所

相手方(申立人) 広島県地方労働委員会

(緊急命令申立) 広島地方昭和二八年(行モ)第五号

主文

本件抗告を却下する。

抗告費用は抗告人の負担とする

理由

抗告人は、広島地方裁判所が昭和二十八年十二月二十一日労働組合法第二十七条第七項に基き相手方地方労働委員会の申立によりなした決定(緊急命令)に対して抗告の申立をなしたものである。

しかしながら、前記法条に則り裁判所が労働委員会の申立を認容してなした決定は、民事訴訟法上抗告の許される場合に当らないのみならず、労働組合法第二十七条第七項によれば、右決定をなした後何時でも裁判所は、当事者の申立により若しくは職権でこの決定を取り消し、若しくは変更することができるのであるから、この決定に対し特に使用者に抗告権を認めなくても何等不都合は生じないわけである。従つて、前記決定に対しては、使用者たる抗告人より抗告を申立てることができないものと解するのを相当とする。

よつて、本件抗告は不適法であるから、これを却下すべきものとし、民事訴訟法第八十九条を適用して主文の通り決定する。

(裁判官 植山日二 佐伯欽治 松本冬樹)

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